バセドウ眼症で味わった辛さ
バセドウ病と診断されるよりも、少し前
大体3か月前くらいから、まぶたの腫れが気になりだした。
元々、目は大きめで
まぶたには厚みがあるほうだった。
泣いたりした次の日は試合後のボクサーみたいになることもあった。
でも、
前の日に泣いたわけでもお酒を飲んでむくんだわけでもない、
ただ、まぶたがいつもより腫れているなぁ、くらいに思っていた。
ネットでまぶたの腫れが引くマッサージ方法を試してやってみたけどイマイチ効果が無い。
今になって思えば、そのころから眼に症状が出ていたってことなんだけど
病気になっていることもまだ知らず、
バセドウ病の事も、そのせいでまぶたが腫れていることももちろん知らず、
なんでかなぁって思いながらマッサージをしていた。
そんなんで引く訳もなく。
そして2017年(平成29年)1月、ついにバセドウ病が発覚。
発覚までの経緯はまた別の記事にて。
そのころにはすでにだいぶ顔貌が変わっていた。
そのころ診てもらっていた先生には、
「もう昔の顔に戻る事はない。目は治らない。」
と、ハッキリ言われてしまった。
とてつもなくショックだった。
だって、バセドウ病って、治療をすれば完治する病気で、治ったら症状の一つである眼だって元に戻るんだろうな、って、その程度の知識だったから。
もう一生こんな顔のまま
どんなに甲状腺の状態が良くなったって、眼はこのまま。
そう言われてすごくショックだった。
私はどちらかと言えばアクティブな方で旅行やイベントに出かける事が好きだった。
思い出を残すため、写真を撮るのも撮られるのも大好きだった。
ウィンドウショッピングも好きだったし、
おしゃれをしてお出かけをする事が好きだった。
お化粧することも好きで、20代のころはアパレルショップで働いていた。
特別美人ではないけど、自分の顔はそれなりに好きだった。
可愛くなるための努力も好きだったし、人前に出る事も好きだった。
でも、病気になって、それが全部180度変わった。
写真に写りたくない、この顔を残したくない、自分が写った写真は見たくない、
自分が写った写真があれば削除する。
どうしても映らなくちゃいけない場面では顔を下に向けて隠した。
誰にも会いたくないし、人前に出るのが怖い。
もし友人や知人にばったり会ったら、きっと驚かれる。
普通はバセドウ病という病気の事なんて深く知らないんだから、太った事や顔が変わった事が病気のせいだなんて、きっと分かってもらえない。
必要最低限の外出時にはマスクとサングラスで顔を隠した。
それ以外はほぼ家に引きこもるようになった。
実際、勇気を出して外食をしにお出かけをしたら、ばったり友人に遭遇してしまい、声をかけられた。
本当なら久しぶりの再会を喜ぶべきなんだけど、
会ってしまった、最悪だ。と思った。
友人は悪気なく久しぶりの再会を喜び、話が尽きない。
「久しぶりだね、なんだか大きくなったね!」
…太ったって言いたいんでしょ、もう分かってるから。言わないで。
「久しぶりだからびっくりしてるのー?驚いた顔してる」
…眼症で目が見開いているだけ。やっぱり私の目って驚いて見えるんだな。
私はほとんど下を向いて、「うん…」程度の返事しかできなかった。
割と仲の良い友人で、昔から太った痩せたなどの話はよくしていた間柄だったけど、今は、やっぱりつらい。
精神的にきつい。
悲しい顔をすると、せっかく外食に連れ出してくれた家族に申し訳がないので、なるべく平気なフリをしていた。
だけどやっぱり、
つらくて悲しくて、
なんで病気になったんだろう、
なんで私なんだろう、
誰にも会いたくない。
どうせまた今日みたいにバカにされるんだから。
そんな風に考えてしまって、布団の中で泣いた。
バセドウ病の名前は知っていても、眼に症状が出る事まで知っている人はあまり多くないと思う。ましてや、太るなんて。
調べたらたくさんの情報が出てくるし、知識は増えると思う。
でも実際の苦しみや悲しみは、やっぱり
当事者じゃないと分からない事がほとんど。
バセドウ病にかかって顔貌が変わって悲しい想いをしている方のブログや記事を何度か目にして、私だけじゃないんだ…って思えた。
もちろん私よりも、もっともっとつらい思いをしている方もいると思うし
逆に自分よりはマシって思う方もいると思う。
それでもいいんです。
誰かの目に留まって、分かち合う事が出来たらいいな。
ネガティブは言葉ばかりの記事になっちゃった。